近畿生コン関連団体労使懇談会
6月18日、学働館で近畿生コン関連団体労使懇談会が開催された。この懇談会は近畿の生コン関連事業者団体と関連労働組合とが現状認識・課題を共有し、互いの役割を確認するために定期的に開催されている。
■TYKの裁判で正当性の証明を
はじめに、経営側から順次報告があった。
このなかで、大阪兵庫生コン経営者会の門田会長は、「経営者会の「中立性」を保つために事務所を移転したとの報告。その中立性とは、広域協組、アシスト協組、フリーのメンバーであっても随時寄り会うことができるという意味の中立性です。
また、昨年6月にTYK高槻生コンが仮処分で勝利しました。本年は、本格的な訴訟が始まります。TYK高槻社のスタンスは、仮処分命令の正当性を本訴で確定させることにある」と報告された。
次に、労組連合会から全港湾大阪支部樋口委員長は、「G20サミットに触れて、組合事務所のある、港区は厳戒態勢が敷かれている。他府県のパトカーや護送車などが入り乱れ、検問が各所で行われ、渋滞が既に始まっている」また、 「昨年、全港湾も同様に、港湾労働者の横断的な労働条件を求めたストライキを貫徹しているがなぜ関生支部だけなのか。権力や資本はなりを潜めているのか動きがない」と報告がありました。
■過去の歴史が証明。業界正常化への道
続いて、関生支部洋一書記長から、「資本主義は限りない大競争の政治・経済・社会システム。労組連合会が進める協同組合運動には、過当競争を防ぎ大企業からの収奪を抑制するために圧倒的多数の中小企業が結集している。80年代初頭には当時の日経連(現在経団連)会長の大槻文平が、〝関生の運動は、資本主義の根幹に関わる運動〟〝箱根の山を越させるな〟として、権力弾圧を仕掛けて、協同組合の解体、集団交渉が破壊されてきた。その結果、生コン業界は混乱を重ね、原価割れの生コンを出荷せざるを得ない状況に陥り、50社程が倒産を余儀なくされた歴史がある。
また、労働者も賃上げゼロ、労働条件の改悪が強行された。その後、94年に当時、大阪府下に6つの協同組合が存在していたが、労働組合と業者が協力・連携して初めて一本化が実現し、適正価格の収受、品質保証、安定供給、シェア運営が実現してきた歴史がある。
今回の権力弾圧は、セメント・生コン業界における産業システムの転換が全国化することに恐れをなした資本・権力の弾圧です。その背景には、大企業を中心とする経済・産業機構が危機に瀕したことによる、安倍自民党政治の焦りがある。
闘う戦線の拡大と弾圧されている仲間の早期奪還に奮闘することの認識を共有することが重要である」と強調して締めくくりました。
【 くさり7月号より 】